第1回シンポジウム「考えるヨシー未利用資源の活用ー」レポート

 

2024年10月12日(土)快晴 14時~19時

枚方総合文化芸術センター1階ひらしんイベントホールにて、「第一回ヨシシンポジウムと交流会」を、一般社団法人ヨシオープンイノベーション協議会主催で開催致しました。

 

行楽シーズンでお休みのところ、会場には述べ100名以上がお集まり頂きました。大阪近郊だけでなく、北海道や東京、金沢、岡山と遠路遥々ご足労頂きました。

 

行き届かないことも多かったのですが、皆様には温かく見守って頂き、沢山の方々にご協力頂きまして、無事にイベントを終えることが出来ましたことに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

 

第一部

14時スタート前。登壇者の皆様も緊張の面持ち?!
14時スタート前。登壇者の皆様も緊張の面持ち?!

 

司会進行と小山先生の講演資料を編集して下さいました笹井良隆氏。

ヨシオープンイノベーション協議会のアドバイザーでもあり、大阪料理会や浪速魚菜の会等で活動されています。

 

 

まずは、小山弘道先生から。植物生態学の研究者。講演「鵜殿のヨシとその再生」について鵜殿ヨシ原研究所の所長であり、50年にも及ぶ鵜殿ヨシ原保全活動をされて来られました。

小山先生との出会いが無ければ、今の事業はないと言っても過言ではありません。

 

 

雅楽協議会「雅楽だより」編集担当 鈴木雅楽工房主宰

講演「日本の文化を守るヨシ」について

 

25歳の頃より雅楽の楽器の鳳笙の製作と演奏を続け、現在は鳳笙の製作のすべての工程を一人で手掛けておられます。

2021年秋に篳篥の蘆舌用のヨシの全滅を知りそのヨシの再生に取り組み始め、2022年、3800㎡のエリアを、2023年は7000㎡エリアの「つる草抜き」を多くの方々と実施し、ヨシの再生にご尽力頂きました。

 

写真は第二部の様子ですが、鈴木氏の講演時にも篳篥を披露していただきました。
写真は第二部の様子ですが、鈴木氏の講演時にも篳篥を披露していただきました。

 

篳篥の音色を皆様にご紹介頂きました深親亮介氏。

鈴木さんと深親さんに最初に出会ったのは、2010年にアトリエMayで、「篳篥のリードの製作」のイベントを実施した時でした。

今回二人とご一緒出来たのは不思議なご縁です。

 

 

第2部では、その篳篥の蘆舌(リード)を鵜殿のヨシ原で収穫されています上牧実行組合の木村和男氏にもお話し頂きました。

 

 

岡山県からご参加頂きました(株)ミライアクトの大塚小百合氏

ジーンズソムリエ TES(線維製品質管理士)  エシカルファッション協議会理事

講演「児島のヨシをジーンズに」について

 

着用されているのは、今回の取組で作られた「ビッグジョンのヨシジーンズ」です。

児島のヨシをジーンズにされるまでのご苦労話は、大変参考になりました。

児島のヨシを繊維化させて頂き、ヨシ糸の可能性がまた大きく広がりました。

 

ビッグジョンさんのヨシデニムとその工程などを展示して頂きまして、多くの方に関心を持って頂きました。

 

試作生地の展示の様子
試作生地の展示の様子

 

(一社)ヨシオープンイノベーション協議会代表理事

(株)アトリエMay 代表取締役 塩田真由美

講演「ヨシをよしとする商品計画ーヨシから始まるSDGsー」

 

ヨシとの出会い、商品開発やデザインを始めて17年のあゆみ、鵜殿ヨシ原での刈り取りの様子や、全国各地のヨシの産地との交流について等の講演をさせて頂きました。

 

 

お話しの最中に、小山先生が、山田兄弟製紙(株)の山田社長をご指名されまして、山田社長が突然の指名に驚かれていましたが、お話して下さいました。

やはり、2007年から「ヨシ紙」へどんどんと魅かれたのは、小山先生にご紹介頂きました山田兄弟製紙(株)との出会いに他なりません。

このシーンは少し胸が熱くなりました。

改めて、モノ作りは人から始まるのではないのかと思った次第です。

 

 

日本新聞インキ(株)執行役員の奥道真哉氏にもご参加頂きました。

ヨシ繊維事業は、弊社だけでは量産できませんので、協業頂いています。

 

展示ブース紹介

 

日本新聞インキ(株)

まだまだ商品化はこれからですが、おぼろタオルさんとのコラボが楽しみで、乞うご期待です!(今年の年末には出来上がり予定です。)

 

 

Udono fabric

(株)鳥居のヨシブランドです。

高槻市駅前に「わたや館」という寝装品を販売されています。高槻市内でみんなでヨシふきんをと頑張って頂いています。赤ちゃんにも使用できる「よしケット」は8重ガーゼで柔らかな肌触りです。

 

 

くらわんかFABRIC

枚方市のお土産ブランドとして、昨年デビューしました。

枚方市楠葉にある「delusso」という洋服店を営んでおられますトミーこと富江さんが、全力で枚方のお土産に特化して頑張って下さっています。

ひらかたモール内の「Syuku56」でも販売されていますので、是非、お立ち寄り下さいませ。

 

花贈り

(ハナコトハ)

 

「花贈り」を主宰されるの中大路薫さんは、フラワーデザイナーさんです。

「花コトハ」はアトリエMayもご一緒させて頂きましたヨシを活用したお花ブランドで、「贈るたび、地球にやさしい」がコンセプト。

ヨシヒンメリのワークショップが人気です。

邪気を祓うという破魔矢は昔はヨシで出来ていました。

現代は、花コトハさんのヨシブランドで飾って頂くのはいかがでしょうか?

 

 

ひらかた独歩ふぁーむ

イベント続きのお忙しい中で、駆けつけて頂いた大島哲平氏。

ひらかた独歩ふぁーむを主宰され、枚方市穂谷の里山で農業を営まれています。

ヨシを繊維化する際に出る残渣を持ち込んで、里山の竹チップと混ぜて、堆肥化して下さって、そのヨシ堆肥で作ったなにわの伝統野菜「大阪黒菜」を栽培して頂いています。

  

 

(株)ミライアクト

講演されていたヨシデニム誕生の過程を展示していただきました。

 

(アトリエMayの展示もありましたが、写真を撮り忘れておりました…)

 

第二部

 

篳篥演奏会

篳篥演奏者 深親亮介氏

 

篳篥演奏者の深親亮介氏は、浄土真宗本願寺派 僧侶です。

これまでに、寺社仏閣でのコンサートはもちろん、イベントホールやカフェ、ライブハウスなどにおいても演奏公演を行い、「身近でない雅楽や篳篥」を、「身近な場所と音楽」を通して、その音色を伝えている。

2010年に出会ってから、もう14年の月日が流れ、何度もイベントでお世話になっています。

どんどんとジャンルを切り開いておられますが、私は深親さんの「ふるさと」は最高だと思います。

 

 

第二部の交流会の軽食はひらかた独歩ふぁーむで栽培された大阪黒菜を使用して、

地元の(株)原田食品さんに中華惣菜を作って頂きました。

とてもヘルシーで、これから、六次産業化で枚方市の名物を創出して行きたいと思います。

こちらも乞うご期待です!

 

 

またオードブルと共に「くらわんか酒」をお楽しみ頂きました。この「くらわんか酒」はヨシオープンイノベーション協議会の前身である(一社)淀川ブランド推進協議会と枚方市が山野酒造(株)と共にクラウドファンディングを行い2018年誕生したお酒です。

現在も毎年醸造されており、山野酒造の銘柄の一つとして愛されています。

 

 

レポートは以上です。

2007年のアトリエMayの創業から、様々な方と出会いこうしてヨシオープンイノベーション協議会を立ち上げることができ、シンポジウムを開くことが出来るまでにヨシ事業を進めてこれたことを大変嬉しく思います。

 

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。